太極・大極(読み)たいきょく

精選版 日本国語大辞典 「太極・大極」の意味・読み・例文・類語

たい‐きょく【太極・大極】

〘名〙
① 中国固有の宇宙観で、もっとも根元となるものの称。無とも、陰陽変化の理とも解されるが、天地陰陽がまだ分かれない前の宇宙万物の本体。
※本朝文粋(1060頃)三・神仙〈都良香〉「手理累人。大極之青文不枯」
随筆戴恩記(1644頃)上「一切の事みな太極より出たり」 〔易経‐繋辞上〕
② 易の用語。占筮(せんぜい)の時、五十本ある蓍(めどき)(=筮竹)のうち、最初に除く一本のこと。
※談義本・当世穴穿(1769‐71)一「私は、只数を取るが役めで、時としては、太極(タイキョク)にのけられ、又は、一本取残されて、乾のけになる時もある斗の事」
剣道で、吉岡憲法流で用いる太刀さばきの一つ。
浄瑠璃傾城吉岡染(1710頃)紙子雛形「刀二ふり鎗三本棒三本を相手にして、止観水月心明劔本来空のよるの霜、大極(タイキョク)の劔無極の劔今ぞ一世の以心伝心

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