天霧(読み)あまぎる

精選版 日本国語大辞典 「天霧」の意味・読み・例文・類語

あま‐ぎ・る【天霧】

〘自ラ四〙 雲、霧などがかかって、空が霞み渡る。空一面にどんよりと曇る。
古今(905‐914)冬・三三四「梅花それとも見えず久方のあまぎる雪のなべてふれれば〈よみ人しらず(左注・人麻呂)〉」
拾遺愚草(1216‐33頃)下「吹き乱る雪の雲間をゆく月のあまぎる風に光そへつつ」

あま‐ぎら・す【天霧】

〘他サ四〙 空を一面に曇らせる。
万葉(8C後)一〇・二三四〇「一目見し人に恋ふらく天霧之(あまぎらシ)降り来る雪の消ぬべく思ほゆ」

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