大鳳寺跡(読み)たいほうじあと

日本歴史地名大系 「大鳳寺跡」の解説

大鳳寺跡
たいほうじあと

[現在地名]宇治市菟道西中

近世以来、字西中にしなかの茶園およびその付近に多量の瓦片の散布が知られ寺院跡の存在が推定されていたが、昭和四六年(一九七一)遺跡確認調査を行い方約一五メートル・高さ約七〇センチの瓦積基壇が発見され、寺跡の位置が明らかになった。瓦積基壇は規模・形状によって塔跡と推定されるが、その伽藍配置や寺域の四至などは未確認である。寺の創建は行基によるとか(菟道旧記浜千鳥)、あるいは大宝年間(七〇一―七〇四)であったとか伝えられるが、寺名は史書にみえず明らかではない。しかし発見された軒丸瓦は、川原寺式や東大寺式の八葉複弁蓮華文に酷似し、明らかに白鳳時代特色がみられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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