大鳳寺村(読み)たいほうじむら

日本歴史地名大系 「大鳳寺村」の解説

大鳳寺村
たいほうじむら

[現在地名]宇治市菟道とどう上野うえの大谷おおたに河原かはら車田くるまだ新池しんいけ高尾たかお段上だんのうえ出口でぐち中筋なかすじ中山なかやま西中にしなか西隼上にしはやぶさあがり・羽戸山はどやま東垣内ひがしがいと東中ひがしなか東隼上ひがしはやぶさあがり・平町ひらまち森本もりもと藪里やぶさと

現宇治市の中央部、宇治川右岸に位置する。東は宇治川東部丘陵で炭山すみやま村に、北は五ヶ庄ごかのしよう村、南は三室みむろ村に接し、西は宇治川右岸に至って久世郡槇島まきのしま村に対する。村名は七世紀後半―八世紀初頭頃に創建されたと伝える大鳳寺の名にちなむもので、その寺跡は村域中央部の字西中・藪里にあるが、寺域四至は明確でない。大鳳寺村の中心集落の一部は、この寺地に形成されたものと考えられる。

村域は中世の近衛家領羽戸はど院の一部にあたるが、西部を南北に通過する奈良街道を羽戸畷と別称し、近世初期以前には、その辺りに中心集落があったことが伝えられている。元禄一一年(一六九八)正月二七日付の太鳳寺村庄屋長左衛門等届書(智積院文書)には、「一、太鳳寺村枝郷羽戸村 家数七軒町長サ三拾弐間道幅弐間」と記され、なお集落が残存していたことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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