日本大百科全書(ニッポニカ) 「大日岳(立山連峰)」の意味・わかりやすい解説
大日岳(立山連峰)
だいにちだけ
富山県東部、北アルプス立山連峰(たてやまれんぽう)の一峰。剱御前(つるぎごぜん)(2777メートル)から派出する低い室堂(むろどう)乗越(のっこし)の鞍部(あんぶ)を挟んで奥大日岳(2611メートル)、大日岳(2501メートル)、前大日岳(1779メートル)へと続く。奥大日岳は古期花崗閃緑(かこうせんりょく)岩、大日岳は新期花崗岩で構成される。大日連山の尾根は平安時代から修験(しゅげん)者の禅定(ぜんじょう)ルートで、行者岩屋などが残る。このルートから立山川の谷を隔てて剱岳の展望がよく、キバナシャクナゲなどの高山植物の宝庫でもある。室堂ターミナルから雷鳥平を経る縦走コースがあり、大日岳から南方へ下ると大日平(だいら)で、称名(しょうみょう)滝への道がある。
[深井三郎]
『深井三郎著『黒部立山アルペンルート』(1974・古今書院)』