大山(町)(読み)だいせん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大山(町)」の意味・わかりやすい解説

大山(町)
だいせん

鳥取県西部、西伯(さいはく)郡にある町。1955年(昭和30)所子(ところご)、高麗(こうらい)の2村が合併して成立。同年大山村と合併。2005年(平成17)3月中山町(なかやまちょう)、名和町(なわちょう)と合併。JR山陰本線、国道9号が通じ、山陰自動車道淀江(よどえ)、大山など5インターチェンジがある。町域は大山の主峰部を含み、阿弥陀(あみだ)川扇状地には条里遺構が、隣接する米子市域にまたがる孝霊山麓(こうれいさんろく)には弥生(やよい)時代の妻木晩田(むきばんだ)遺跡(国指定史跡)がある。大山は古来山岳信仰の対象となり、837年(承和4)大山神(おおやまのかみ)には神階が授けられ、現在も大神山神社(おおがみやまじんじゃ)奥宮(おくのみや)(本殿幣殿拝殿などは国指定重要文化財)がある。大山中腹にある大山寺創建も古く、阿弥陀堂など国指定重要文化財も多い。所子地区には西伯耆(ほうき)の大型民家を代表する門脇家住宅(かどわきけじゅうたく)(国指定重要文化財)があり、宮内(みやうち)地区の高杉神社には奇祭嫐(うわなり)神事がある。大山寺地区は宿坊も残り、観光の中心をなす。周辺にはスキー場があり、また、大山の模型生物標本歴史などを紹介する県立大山自然歴史館がある。香取地区(かとりちく)は第二次世界大戦後の開拓地で、酪農や葉タバコ栽培が行われる。面積189.83平方キロメートル、人口1万5370(2020)。

[岩永 實]

『『大山町誌』(1980・大山町)』


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