大学出版会(読み)だいがくしゅっぱんかい

大学事典 「大学出版会」の解説

大学出版会
だいがくしゅっぱんかい

研究成果の発表としての学術書のほか,効果的な教育に資する教科書,研究成果の普及のための一般教養書等の刊行を通じて,大学の教育・研究活動を充実させ,また研究成果の社会への還元に寄与することを目的とした組織である。通常は営利目的ではない。各大学の教育・研究活動と密接に結び付いており,研究大学を中心に大学ごとに設置されるのが通例である(ただし,九州大学出版会や名古屋大学出版会のように近隣の各大学を対象とするものもある)イギリスケンブリッジ大学や,それに続くオックスフォード大学では16世紀に設置されているが,これら例外を除けば,おもに20世紀に設置された。日本における形態は,財団法人社団法人,株式会社,NPO法人,大学を設置する法人の一組織等とさまざまである。学術書の刊行にあたっては,日本学術振興会の研究成果公開促進費のほか,各大学や民間団体の助成事業が利用されることも少なくない。なお,大学出版部協会は「大学出版部の健全な発達と,その使命達成をはかり,もって学術文化の向上と,社会の進展に寄与する」ことを目的として1963年に設立され,2015年現在,31大学出版部が加盟している。
著者: 榎孝浩

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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