大学の自治と教育公務員特例法(読み)だいがくのじちときょういくこうむいんとくれいほう

大学事典 の解説

大学の自治と教育公務員特例法
だいがくのじちときょういくこうむいんとくれいほう

教育公務員特例法は1949年(昭和24)公布・施行された法律で,公務員の身分にある国公立大学教員任免の基本手続きを規定している。それをとおして,国公立大学に限られるものの,大学の自治の自由つまり大学教員の身分保障(日本)を制度的に確保するための最大の根拠法となっている。1999年(平成11)に改正され,学長および教員については,①免職・降任・転任懲戒処分の審査,およびその審査要件の決定権限をもつのは評議会であり,②この審査結果によらない場合は,その意に反してこれらの処分に付されない,③教員の採用・昇任のための選考は教授会の,学部長選考は当該学部教授会の議に基づくこと,学長選考は評議会が行うものと規定した。1949年の法令は,教授会による閉鎖的な教員人事を避けるため学外者も構成要員とする,教員の身分に関する権限をもつ「大学管理機関」の設立を盛り込んだ大学管理法案制定を前提に条文ができていた。この法案は1951年に国会に提出されたものの,結局廃案になった結果,附則で「大学管理機関」を当座は評議会・教授会などに読み替えるという変則的規程状態が続いていた。1999年の教育公務員特例法改正(法律第55号)によって現行の形に改正された。
著者: 岩田弘三

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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