塵土(読み)ジンド

デジタル大辞泉 「塵土」の意味・読み・例文・類語

じん‐ど〔ヂン‐〕【×塵土】

ちりと土。取るに足りないもの、値うちのないもののたとえにもいう。
「―聚れば、これも堆くなるで御座ろう」〈菊池寛蘭学事始
けがれた現世俗世間
「かかる道の果て、―の境まで神霊あらたにましますこそ」〈奥の細道

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精選版 日本国語大辞典 「塵土」の意味・読み・例文・類語

じん‐ど ヂン‥【塵土】

〘名〙 (「じんと」とも)
① ちりと土。ちりや土ぼこり。
今昔(1120頃か)一「身を養ふと云とも、又无常に帰なば塵土と成りなむずる身也」 〔朱熹‐秋夕詩〕
② (塵はものに付着して汚すところから) 煩悩にけがれた俗世間。けがれた現世。この世。
※玉塵抄(1563)三七「天帝からつみに行て下界の塵土えをい下された人ぢゃと云たぞ」 〔姚合‐送崔約下第帰揚州詩〕
国土
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)塩釜「かかる道の果塵土の境まで、神霊あらたにましますこそ」
④ 価値のないもののたとえ。

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普及版 字通 「塵土」の読み・字形・画数・意味

【塵土】じん(ぢん)ど

ごみ土。俗世。〔唐才子伝、六、殷尭藩〕嘗(かつ)て曰く、吾(われ)一日山水を見ず、俗人と談ずれば、(すなは)ち胸(心に)塵土の堆積するを覺ゆ。に濁(だくらう)(濁り酒)を呼びて之れを澆(あら)ひ、聊(いささ)か穢を解くのみ。

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