堀一郎(読み)ほりいちろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「堀一郎」の意味・わかりやすい解説

堀一郎
ほりいちろう
(1910―1974)

宗教民俗学者。三重県出身。1932年(昭和7)東京帝国大学文学部印度哲学科卒業。国学院大学東北大学、東京大学、成城大学教授歴任。日本仏教史の研究から出発して宗教民俗学という新しい分野を開拓した。1952年度(昭和27)毎日出版文化賞受賞の『民間信仰』は宗教民俗学の体系化を意図したもので、その他の主要著書に、1956年日本学士院賞受賞の『我が国民間信仰史の研究』や『日本宗教の社会的役割』『民間信仰史の諸問題』『聖と俗の葛藤(かっとう)』などがある。

[伊藤幹治 2019年2月18日]

『『我が国民間信仰史の研究』2冊(1953、1955・東京創元社)』『『聖と俗の葛藤』(1975・平凡社/平凡社ライブラリー)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「堀一郎」の意味・わかりやすい解説

堀一郎
ほりいちろう

[生]1910.3.19. 大阪
[没]1974.8.10. 東京
宗教民俗学者。 1932年東京帝国大学文学部を卒業し,二松学舎大学,國學院大學,東北大学,東京大学,成城大学で教授した。 1956~58年にはロックフェラー財団に招かれてアメリカに留学し,1965年にはシカゴ大学で講義を行なった。研究分野は広く,仏教文化史,宗教史,宗教民俗学,宗教社会学,宗教現象学などに及んでいる。主要著訳書『日本仏教史論』 (1940) ,『遊幸思想』 (1944) ,『民間信仰』 (1951) ,『我が国民間信仰史の研究』 (2巻,1953,1955,日本学士院賞) ,『日本近代化と宗教倫理』 (1962,N.ベラ著,共訳) ,『日本宗教の社会的役割』 (1962) ,『永遠回帰神話』 (1963,M.エリアーデ著) ,『宗教・習俗の生活規則』 (1963) ,『民間信仰史の諸問題』 (1971) ,『日本のシャーマニズム』 (1971) ,『聖と俗の葛藤』 (1975) 。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「堀一郎」の解説

堀一郎 ほり-いちろう

1910-1974 昭和時代の宗教学者。
明治43年3月19日生まれ。東北大教授などをへて,昭和40年東大教授,45年成城大教授。日本宗教史を研究,宗教民俗学を提唱する。晩年新宗教などの宗教現象学の分野へすすんだ。昭和49年8月10日死去。64歳。三重県出身。東京帝大卒。著作に「民間信仰」,「我が国民間信仰史の研究」(昭和31年学士院賞)など。

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