土成町(読み)どなりちよう

日本歴史地名大系 「土成町」の解説

土成町
どなりちよう

面積:五六・六一平方キロ

板野郡の西端に位置。吉野川左岸の阿讃あさん山脈南麓、九頭宇谷くずうだに川や宮川内谷みやごうちだに川によって形成された複合扇状地が広がり、一部吉野川の氾濫による沖積平野も含む。北は香川県大川おおかわ白鳥しろとり町・引田ひけた町、東は糠丸ぬかまる(六〇六・八メートル)東の尾根をもって上板かみいた町、南は吉野町および吉野川を挟み麻植おえ鴨島かもじま町、西は阿波郡市場いちば町。阿讃山脈が町面積の七割以上を占め、奥宮川内おくみやごうち県立自然公園に指定されている。町域中央部を屈曲しつつ南東に流れる宮川内谷川(流長一八・九八キロ)は阿讃山脈南斜面に発し、上流部は山間渓流をなすが、宮川内ダムから下流は平地流となり吉野町・上板町・板野町を東流して旧吉野川に流入する。古来浸食と氾濫を繰返し扇状地を形成したが、流域では洪水と旱魃に悩まされた。町のほぼ中央部を南北に国道三一八号が縦断し、吉野川南岸の国道一九二号につながる。現吉野町との境界を主要地方道鳴門―池田いけだ線が東西に通る。

考古遺跡は吉田よしだに旧石器時代のしいまる芝生しぼう遺跡、浦池うらのいけに縄文時代から弥生時代を主とする金蔵こんぞう上井うわえ遺跡、土成に弥生時代の北原きたはら大法寺だいほうじ遺跡、吉田に弥生時代と中世を主とする前田まえだ遺跡、高尾たかお十楽寺山じゆうらくじやま古墳土成丸山どなりまるやま古墳などがある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報