朝日日本歴史人物事典 「四方竜文」の解説
四方竜文
生年:享保17(1732)
江戸中・後期の鋳金家。金寿泰と号した。丹波国(京都府)亀山藩士の家に生まれ,明和1(1764)年ごろ以降,京都・東洞院付近に住し,鋳造業を生業にしたという。蝋型鋳造技法にすぐれ,特に鉄瓶の制作や青戻しと称される器面の着色法に独特なものがある。2代目を継いだ長男安之助(1780~1841)は,初代の名に因んで竜文堂と号し,鉄瓶のほかにも中国古銅器の模作にみるべきものがあった。2代目以降,代々子孫が竜文堂の号銘を伝えている。
(加島勝)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報