和・甘なう(読み)あまなう

精選版 日本国語大辞典 「和・甘なう」の意味・読み・例文・類語

あま‐な・う ‥なふ【和・甘なう】

[1] 〘自ハ四〙 (「なう」は、ある事を行なう、ある状態にするの意の接尾語)
① (和らぐ状態になるのをいうか) 和合する。和解する。仲よくする。また、同意する。
書紀(720)仁徳一六年七月(前田本訓)「明日(くるつひ)の夕(よ)、速待、玖賀媛が家に詣りぬ。而れども、玖賀媛、和(アマナハ)ず」
② そのことに甘んずる。満足する。
※大智度論平安初期点(850頃か)一三「一切世人の甘(アマナヒ)て刑罰形残考掠を受くることは、寿命を護るを以てなり」
[2] 〘他ハ四〙
① それをよしとする。
(イ) 甘んじて受け入れる。甘受する。
※四季物語(14C中頃か)一一月「まいて後の世のありがたきすぐせ、たれか此たのしみをあまなはんや」
太平記(14C後)一「悲しむらくは、公の只古人糟粕を甘(アマナッ)て、空しく一生を区々の中に誤る事を」
(ロ) うまいとして飲食する。
俳諧鶉衣(1727‐79)後「此井の水を甘なふ人は、仮令(たとひ)無風雅の腸なりとも、忽三石のなら茶を思ふべし」
② (言い方などを)柔らかくする。甘くする。へつらう。
サントスの御作業(1591)一「タトイ ツワモノ ドモ コト ヲ amanai(アマナイ)、ヲモテ ヲ ヘツラウ トユウ トモ」
[3] 〘他ハ下二〙 和合させる。仲よくさせる。同意させる。
※書紀(720)応神四〇年正月(北野本訓)「二(ふたり)皇子(すめみこ)の意(みこころ)を和(アマナヘ)たまはむと欲(おもほ)す」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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