否・嫌・厭(読み)いや

精選版 日本国語大辞典 「否・嫌・厭」の意味・読み・例文・類語

いや【否・嫌・厭】

[1] 〘感動〙
① 相手のことばを打ち消す気持を表わすことば。自分のいま言ったことばを打ち消して言い直すときにも用いる。いいえ。いえ。いいや。いな。
古今著聞集(1254)一六「『〈略〉件(くだんの)田は相違あるまじ』などいへば、権守とりもあへず『いや田におきては、はやくとられぬ』といひたりけるをかしさこそ」
② (並立的な句の前または中で副詞的に用いる) あるいは。または。やれ。
※足利本論語抄(16C)堯曰第二十「是を人にとらせうかいやとらすまいかと出内(いだしいれて)
[2] 〘形動〙 不快に思うさま。好ましくないさま。きらいだ。
史記抄(1477)八「先帝の人をわづらはす事をいやにをぼしめしたほどにとてか」
日葡辞書(1603‐04)「Iyana(イヤナ)コトヂャ」
いや‐が・る
〘他ラ五(四)〙
いや‐さ
〘名〙
[3] 〘接頭〙 名詞の上に付いて、きらいな、好ましくない、の意を表わす。
※浮世草子・好色一代男(1682)七「五日はいばらきやにて御存(ぞんじ)のいや男にあひ申候」
[補注]否定の感動詞「いな」が中世に「いや」になったと見られる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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