吠・吼(読み)ほえる

精選版 日本国語大辞典 「吠・吼」の意味・読み・例文・類語

ほ・える【吠・吼】

〘自ア下一(ヤ下一)〙 ほ・ゆ 〘自ヤ下二〙
① 犬やけものなどが大声で鳴く。すさまじい声で鳴く。たけり鳴く。
書紀(720)神代下(兼方本訓)「代(よよ)吠狗(ホユルいぬ)して奉事(つかうまつ)る者(もの)なり」
※枕(10C終)二八「しのびてくる人見しりてほゆる犬」
② 強い風で、木の枝や波などが大きな音を出す。
※御巫本日本紀私記(1428)神代上「山岳為之鳴呴〈也万奈利遠加保江岐(やまなりをかホエき)〉」
③ 人が大声をあげて泣く。〔日葡辞書(1603‐04)〕
浄瑠璃摂州合邦辻(1773)下「ヤア皆何の為に其涙。ナナナナ、何吠えるのぢゃ女房ども」
④ やかましく述べたてる。大声で言う。どなる。ののしる。
※浄瑠璃・曾我会稽山(1718)三「尋る子細有、所詮鎌倉殿御前にてほへさせよ」

ほや・す【吠・吼】

〘他サ四〙 (吠(ほ)えるようにしむける意) 泣かせる。
※玉塵抄(1563)五「吠なり。犬をほやすなと云心か」

ほ・ゆ【吠・吼】

〘自ヤ下二〙 ⇒ほえる(吠)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報