吉田(島根県)(読み)よしだ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「吉田(島根県)」の意味・わかりやすい解説

吉田(島根県)
よしだ

島根県東部、飯石郡(いいしぐん)にあった旧村名(吉田村(むら))。現在は雲南市(うんなんし)の南部を占める地区。2004年(平成16)大東(だいとう)町、加茂(かも)町、木次(きすき)町、三刀屋(みとや)町、掛合(かけや)町と合併、雲南市となる。旧村域は、南を広島県に接する中国山地に位置し、面積の約80%は山林である。国道314号が通じる。中世から大正期まで、鉄師田部(たなべ)家を中心にたたら製鉄が盛んであった。田部家経営のたたらの一つ「菅谷たたら山内(すがやたたらさんない)」は広大な砂鉄精錬場で、高殿(たたら/たかどの)、鉄倉、元小屋、米倉、長屋などが残り、国の重要有形民俗文化財に指定されている。過疎化が進んでいるが肥育牛の育成に活路を求め、有機農業が盛ん。堀江家住宅は江戸中期の農家建築で国指定重要文化財。

小松 聰]


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