吉田(埼玉県)(読み)よしだ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「吉田(埼玉県)」の意味・わかりやすい解説

吉田(埼玉県)
よしだ

埼玉県西部、秩父郡(ちちぶぐん)にあった旧町名(吉田町(まち))。現在は秩父市の北部を占める地域。旧吉田町は1928年(昭和3)町制施行。1956年上吉田村と合併。2005年(平成17)秩父市に合併。旧町域は秩父盆地北部を含み、北境は群馬県の神流(かんな)湖に接する。平将門(たいらのまさかど)の伝説が残る城峰山(じょうみねさん)(1038メートル)をはじめ、600メートル級の山地が多く、集落耕地は渓谷沿いに分布し、北部は県立上武(じょうぶ)自然公園に属する。江戸時代は3、8の日に市(いち)が立ち、絹、タバコの取引が行われた。また、1884年(明治17)に起こった秩父事件発生の地でもある。古くからの珍しい行事が多く、小川集落で8月16日の夜に行う百八灯(ひゃくはっとう)は県選択無形民俗文化財。また県指定無形民俗文化財の貴布弥(きぶね)神社の神楽(かぐら)、下吉田の椋神社で10月第2日曜日に打ち上げる竜勢(りゅうせい)花火の神事などがある。

[中山正民]

『『吉田町史』(1982・吉田町)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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