吉広村
よしひろむら
[現在地名]武蔵町吉広 小倉持・中村・岡・松迫・鶴・馬場
手野村の西に位置し、西は小ヶ倉村。同村に源を発する吉広川が東流して当村の岡・楽庭・東ヶ迫を経て小倉持で麻田川に合流するまでの流域および松迫川流域に立地する。当地は大友田原氏の庶流吉弘氏の本貫地。初代吉弘正賢（氏広）は田原氏三代直貞の次男で南北朝初期に活躍した（「大友田原系図」入江文書）。吉弘氏の館跡は楽庭八幡社の南方にあるが、拠城は西小畑の山頂にあったという。二代氏輔は入道一曇を名乗り、南北朝末期には大内義弘と行動を共にしている。九州探題今川了俊が有力御家人から将軍家小番衆を推挙したなかに吉弘氏も入っており（応永二年「京都不審条々事書」禰寝文書）、おそらく一曇と考えられる。永享九年（一四三七）以前には四代石見守綱重が都甲庄（現豊後高田市）に所領を得て本拠地としている（同年一二月一三日「藤原綱重安堵状」道脇寺文書）。平時は長岩屋（現同上）の筧城にあり、戦事には加礼川（現同上）の屋山城に入ったとされる。
吉広村
よしひろむら
[現在地名]加古川市志方町広尾
高畑村の東に位置する。津田与四郎家譜（鳥取県立博物館蔵）によると、慶長六年（一六〇一）津田源次郎は池田輝政から志方吉広村など都合一千二〇〇石を与えられている。慶長国絵図にも村名がみえる。細工所村と同じく姫路藩領、その後正保元年（一六四四）より幕府領となったがその期間が長く、相模小田原藩領となったのは宝永五年（一七〇八）、以後の領主は細工所村と同じ。正保郷帳では田方三四五石余・畑方一二石余。一橋徳川家領村々様子大概書（一橋徳川家文書）によると田二二町二反余・高三〇二石余、畑四町七反余・高三〇石余、旱損がち、小物成は小松山年貢銀、家数八三・人数三〇一、牛二七、農間に薪取・草刈・木綿織、百姓持林山一、米の津出しは芝村。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
