古泊村(読み)こどまりむら

日本歴史地名大系 「古泊村」の解説

古泊村
こどまりむら

[現在地名]熊野市磯崎いそざき

波田須はだす村の南西熊野灘に突出た小半島の西海岸に小港があり、港をめぐるように人家が建つ。当村は熊野街道大吹おおぶき峠より南にはずれ、北八町に小名大吹古田おおぶきふるたがあり、北東の小湾に小名井内浦いないうらがある。昭和二九年(一九五四)熊野市誕生のとき町名とまりから磯崎と改めた。

慶長六年(一六〇一)検地帳(徳川林政史蔵)に「小泊村」と記される。近世初期の家数六二(「新宮藩御勘定方旧記」和歌山県史近世史料編)。木本組に属する。「紀伊続風土記」に「大泊小泊皆海辺にて魚猟を専とす」とある。天保三年(一八三二)当浦白磯しらいそに寄せた鮪を網取りして銀二〇貫五二二匁の水揚げがあり、当時当浦には鰹船五、さっぱ船一五、ほか漁船八、伝馬船一六の計四四艘があり、また細魚(秋刀魚)網五、鰯網七、鰹網一、平敷網五、海老網四〇の計五八帖があって、夏は鰹漁、冬は秋刀魚・海老漁に従事した(「地元文書写」熊野市教育委員会蔵)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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