精選版 日本国語大辞典 「受取・請取」の意味・読み・例文・類語
うけ‐と・る【受取・請取】
〘他ラ五(四)〙
① 自分のほうへ来るものや渡されるものを手に入れる。収め入れる。受領する。
② ある事柄を進んで身に引き取る。
(イ) 責任をもって引き受ける。担当する。
※源氏(1001‐14頃)若菜上「その御うしろみの事をば、うけとりきこえん」
(ロ) 人から仕事などを引き継ぐ。
※今鏡(1170)三「帝の御位は限りある事なれど、余り世を疾(と)くうけとりておはしましけるにや」
※応永本論語抄(1420)里仁「孔子の語を直ちに暁て請取㒵也」
(ニ) 話などに応ずる。
③ 他からの作用が身に及ぶ。身に受ける。こうむる。
※大鏡(12C前)四「さばかりおもきやまひをうけとりたまひて」
うけ‐とり【受取・請取】
〘名〙 (「うけどり」とも)
① 受け取ること。手もとに引き渡されたものを手に入れること。
※山上宗二記(1588‐90)「師より請取の一巻」
※教言卿記‐応永一三年(1406)四月三日「呰部より十二貫五百文到。目出。年々未進分と出二請取一了」
※浮世草子・傾城色三味線(1701)京「中あらためて請取書てしんずるにおよばず」
③ 引き受けたこと。また、その人。受持ち。担当。担任。
※日葡辞書(1603‐04)「コレワ ワガ vqetorigia(ウケトリヂャ)」
④ =うけおい(請負)
※玉塵抄(1563)四「人にたのまれてちんをとって人をころしねらうてにくいと思う者をころさするぞ。うけとり沙汰(ざた)する者なり」
⑤ 物事を自分の考えで、こうこうだと認めること。理解。のみこみ。
※甲陽軍鑑(17C初)品四〇上「第一に、謡、舞、或いは物をよむに、うけとりのはやき人を利根なると云」
⑥ 「うけとり(請取)の御献(ぎょこん)」の略。
※御湯殿上日記‐長享二年(1488)正月一日「うけとりの御てうし、大すけ殿、中内侍殿よりもまいる」
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