反取(読み)たんとり

改訂新版 世界大百科事典 「反取」の意味・わかりやすい解説

反取 (たんとり)

江戸時代の徴租法の一種で,反別取ともいった。検見(けみ)により取米多少に従って1反当りの上中下の租率を定め,それに全反別を乗じて租額を決定する方法をいう。その租額を根取または根取米と称した。根取はもと村高をさしていたが,江戸時代に貢租が籾納から米納に代わって根取の意味も変化したようである。関西に多い厘取(りんどり)法に対して,反取法関東多く行われた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「反取」の意味・わかりやすい解説

反取
たんどり

段取」とも書く。江戸時代に主として関東地方で用いられた年貢徴収法の一種。石高 (こくだか) に免 (めん。年貢率) を乗じて算出する厘付取 (りんつけどり。関西で多く行われた) に対し,反あたりの租額を決定し,それに全反別を掛けて算出する方法をいう。

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世界大百科事典(旧版)内の反取の言及

【斗代】より

…普通,上田1反歩の斗代は1石5斗で,中田以下はそれぞれ2斗減であった。しかし,〈斗代といふは石盛の異名に候得共,百姓等反取候事も斗代と唱違也〉(《地方要集録》)といわれるように,村方では〈反取〉(年貢収納高の一種)を斗代という場合も多く,2様の意味で混用されていたと思われる。【木村 茂光】。…

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