南下安村(読み)みなみしもやすむら

日本歴史地名大系 「南下安村」の解説

南下安村
みなみしもやすむら

[現在地名]安佐南区祇園ぎおん町南下安

北下安村の西および南に位置し、やや南東やす川を挟んで西原にしはら村、西は東山本ひがしやまもと村に接する。雲石路が長束ながつか村から入り、安川西岸を北上し、北下安村へ抜けるが、北下安村境近くの街道沿いに町場が形成される。

仁安元年(一一六六)一一月一七日の伊都岐島社領安芸国志道原荘倉敷内畠在家検注帳(新出厳島文書)に、厳島神社領志道原しじわら(現山県郡豊平町)倉屋敷を「佐東郡内伊福郷堀立」へ定めるとあり、「堀立」は現南下安の帆立ほつたてに比定されるから、「和名抄」の佐伯郡伊福いおき郷の地域であったことが推定される。堀立は厳島社領内の村として、応永四年(一三九七)六月日付の厳島社領注進状(巻子本厳島文書)や同年七月二五日の室町将軍家御教書(厳島文書御判物帖)、宝徳二年(一四五〇)四月日付の厳島社神主藤原教親申状案(巻子本厳島文書)にもみえるから、付近の地はおおむね厳島社領として推移したと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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