北山用水(読み)きたやまようすい

日本歴史地名大系 「北山用水」の解説

北山用水
きたやまようすい

本門寺ほんもんじ用水とも。しば川の水を内野うつの横手沢よこてざわの取水口で取水し、上井出かみいで・中井出・北山・山宮やまみや宮原みやはら外神とがみなど諸村に引水し、飲料水・灌漑用水として利用した。一部は北山村大久保おおくぼで分水し万野まんの原開発にも利用された。

天正一〇年(一五八二)二月甲州に攻め入った徳川家康は、北山本門寺の第九世日出より譲り受けた日蓮自筆の曼荼羅のおかげで鉄砲の難を避けることができたことに感謝して、武田氏の滅亡後駿河支配を任されたのを機に日出の望んだ用水開削を許し、同年八月より井出正次を奉行として工事を開始し、同年一二月に完成したという(「日出上人過去帳」北山本門寺文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報