日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
北園克衛(きたそのかつえ)
きたそのかつえ
(1902―1978)
詩人。本名橋本健吉。海外ではKit. Katと知られる。三重県度会(わたらい)郡四郷(しごう)村(現伊勢市)生まれ。中央大学経済学部出身。『薔薇(バラ)・魔術・学説』『VOU(バウ)』を主宰。『DIOGENES』『TOWNS MAN』『NEW DIRECTIONS』などに作品を発表。E・パウンドと交流。日本を代表する前衛詩人として国際的にも著名。1954年(昭和29)ダイバァーズ・プレス刊行の詩集『BLACK RAIN』は、W・C・ウィリアムズから高く評価された。戦時中は郷土詩運動を主張。ラディゲ、エリュアールらの翻訳がある。詩集『白のアルバム』(1929)、『風土』(1943)、評論『黄いろい楕円(だえん)』(1953)など。
[千葉宣一]
『『現代詩文庫第Ⅱ期23 北園克衛詩集』(1981・思潮社)』