勝平山(読み)かつひらやま

日本歴史地名大系 「勝平山」の解説

勝平山
かつひらやま

新屋あらや北方、第三紀層の丘陵を基盤とし、日本海と旧雄物川の間の砂丘地にある。日本海からの激しい季節風を受けて風化作用が進み、森林の乱伐も重なって崩壊し、現在の標高は四八メートル。山麓一帯は早くから開けたらしく、「勝平山は昔の館也。古は深山而大木多く有、古勝平寺と云大寺あり。今此処より移りたる也」(「久保田城下廻り古跡記」秋田市史)とある。幻の寺といわれた勝平しようへい寺は昭和三九年(一九六四)再建された。「勝平ト云フモノノ館アリトス、又新屋村大門助右衛門ノ家ハ勝平山ヨリ移ルト伝フル由、川尻村岡田五郎兵衛祖先延暦ノ頃勝平山ニ住スト伝フ」(秋田沿革史大成)ともある。

大樹があったと伝えられ、「京都三十三間堂ノ棟梁ハ小平山ヨリ出ルト銘ヲ記セリ」(黒甜瑣語)とあり、雄物川水涸れの節には折々大材の埋れ木が現出した(羽陰温故誌)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android