加賀染(読み)カガゾメ

デジタル大辞泉 「加賀染」の意味・読み・例文・類語

かが‐ぞめ【加賀染】

加賀絹を染める方法。また、その染め物。梅染めを何度も繰り返した黒梅染や、加賀友禅など。加賀兼法かがけんぽう
染め色の名。黄みを帯びた赤色

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精選版 日本国語大辞典 「加賀染」の意味・読み・例文・類語

かが‐ぞめ【加賀染】

〘名〙
① 加賀絹を染める染め方。また、その染め物。梅の木の皮からとる梅谷渋(しぶ)を用い、赤橙色を何度も染めて黒い色にする。無地染めと、立田川に楓(かえで)雪月花などの模様染め(加賀友禅)とがある。男女の羽織衣服などに用いる。加賀兼法(かがけんぼう)
※山上宗二記(1588‐90)「茶湯之出立〈略〉袖口みこ、下に加賀染」
染色の名。赤に黄を帯びた色。
※俳諧・鷹筑波(1638)三「茶にも色々ある宇治の里 加賀染(ゾメ)や江戸染すすぐ橋の下〈利安〉」

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世界大百科事典(旧版)内の加賀染の言及

【友禅】より

…江戸時代後期には,華やかな服飾を禁ずる社会の趨勢とともに,友禅染もきわめて小文様で,抑えられた色調を特色として,近代を迎える。一方,加賀前田藩でも,御国染(おくにぞめ),加賀染と称する染物が,京の友禅と同時期に盛んに作られていた。これにも京友禅の技法がとり入れられて類似性が強まると,やがて京都などでは,これを友禅に包含して〈加賀友禅〉と称するようになったようである。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」