加納鉱山跡(読み)かのうこうざんあと

日本歴史地名大系 「加納鉱山跡」の解説

加納鉱山跡
かのうこうざんあと

[現在地名]熱塩加納村宮川 岩尾

岩尾いわお集落の北西にある。金・銀・銅・鉛・亜鉛などを産したが、江戸時代は銀の採掘が主で、岩尾銀山と称された。当地に残る伝承では、いつの頃か旅の六部が西岩尾の農家に一夜の宿を借りたとき、農家の主人がもてなしにくべた松の木の枝根がパチパチとはね、あとに火熱に溶けた異物が残ったため近くに鉱脈のあることに気づいたとされる。六部からこのことを聞き及んだ主人は時の領主に知らせて褒美を下されたという。「会津旧事雑考」寛永一九年(一六四二)条に「岩尾山白銀出」とみえる。「新編会津風土記」によると、操業は寛永年中から明暦(一六五五―五八)頃までで、文化年中(一八〇四―一八)にはすでに休山となっていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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