い‐ぶつ【異物】
〘名〙
① そのものと関係のない別個のもの。
※竹園抄(13C後)「
かぜの歌は思ふ事を異物にあたりてよりあらはす歌也」 〔管子‐小匡〕
② 非日常的なもの。
違和感を与えるような奇異なもの。連歌論に多く見られる。
※
連理秘抄(1349)「異物、常に用ゐざる所の鬼風情の物也」
※南郭先生文集‐二編(1737)九・答富春叟「東壁已二異物一、先生亦此下世」
(イ) 体外からはいる食物以外のもの。針、魚骨など。また、
体内に発生する異常な組織。癌
(がん)、
結石など。
※医語類聚(1872)〈奥山虎章〉「Allotriuria 尿中異物」
(ロ) ごみ、ほこりなど。
※
歩兵操典(1928)第二二三「機能上故障の起因たるべき
要部を検し〈略〉若は異物の介在し易き
部分の
手入を行ひ」
いな【異】 物(もの)
(
連体詞「いな」に
形式名詞「もの」が付いたもの) 普通では考えられないもの。変なもの。妙な
具合。〔文明本節用集(室町中)〕
※
浄瑠璃・丹波与作待夜の
小室節(1707頃)
夢路のこま「縁はいな物其の時に、起請一枚書かねども」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「異物」の意味・読み・例文・類語
い‐ぶつ【異物】
1 普通とは違ったもの。違和感を与える奇異なもの。
2 体内に入ってきて、または体内に発生して、周囲の体組織になじまないもの。「目に異物が入る」「腹部の異物を摘出する」
3 死体。死骸。
「忽ち―と為って、木石と異なること無し」〈童子問・中〉
こと‐もの【異物/異者】
別の物。ほかの物。また、別の人。
「あはれなる手など弾き給へるに、―の声どもは止めて」〈源・須磨〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
異物
生体に取り込まれた栄養素以外のものや,食品に混入した本来あるべきでないものなど.
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報