割出（読み）サイデ

デジタル大辞泉

さい‐で【割出／裂^×帛】

《「さきで」の音変化》
１ 布を裁った余り切れ。裁ち切れ。たちはずし。小切れ。
２ 塗師ぬしが、漆をぬぐう布切れ。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

わり‐だし【割出】

〘名〙

① わりだすこと。計算して答えを出すこと。

※壺中庵異聞（1974）〈富岡多恵子〉四「人間のこころが科学の割り出しではどうにもならぬものを信じていく」

② 土地などの境をきめ、区画をつけること。また、その区画。

※仮名草子・元の木阿彌（1680）下「新道のわり出しに、さかい町ふくろ町、かれのこれのと小名をつけ」

③ 裁縫で、ある部分の寸法から他の部分の寸法を算出すること。

※面影（1969）〈芝木好子〉一「襞スカートの割り出しに兄と共に苦心して」

④ 押し出すこと。押し出されること。

※俳諧・富士石（1679）四「閏極月に 割出しやほこり積って閏の雪〈調音〉」

⑤ 相撲のきまり手の一つ。四つに組んだ体勢から、差手を抜き、その手で相手の上膊部（二の腕）を押し上げるようにして寄り切る技。

⑥ 一定の手がかりから犯罪の実態をさぐり出す捜査法。警察官などがいう。

わり‐だ・す【割出】

〘他サ五（四）〙

① 割算をして答えを出す。また、計算によって結果を出す。算出する。

※浮世草子・諸道聴耳世間猿（1766）一「算学では、富士の山を崩して海を埋れば、何十里が間は田地になりて、作ものがいか程あがるとまでは割(ワリ)出しますれど」

② ある根拠をもとにして考え出す。状況証拠から結論を導く。

※古道大意（1813）下「実は是から割出したやうなもので」

※たけくらべ（1895‐96）〈樋口一葉〉九「和尚さま経済より割出(ワリダ)しての御ふ憫かかり」

③ あからさまにさらけ出す。

※歌舞伎・阿国御前化粧鏡（1809）二幕「斯う割出して待たされちゃア、どうも斯うも仕様がない」

出典　精選版 日本国語大辞典