初山村(読み)はつやまむら

日本歴史地名大系 「初山村」の解説

初山村
はつやまむら

[現在地名]郷ノ浦町初山東触はつやまひがしふれ初山西触はつやまにしふれ

武生水むしようず村の南方にあり、壱岐水道に臨む。南端小山こやま崎・海豚いるか鼻がある。北に枝郷の若松わかまつ村・湯船ゆぶね村、北西に当村に属したつぼ村がある。八幡宮および初島はつしま大明神が鎮座して以来山立が始まり、村が開かれたという(壱岐国続風土記)。承和二年(八三五)新羅商人の来航が頻繁であるとして当地などに要害が設けられ、兵仗を帯した徭人をもって守らせたという(壱岐名勝図誌)。正平二四年(一三六九)の壱岐神領図(壱岐史拾遺)では可須かす(現勝本町)聖母しようも大明神の神領九四町のうちとして初山村とみえ、同年とされる壱岐国七社神領敷地定書(同書)では志佐氏の領知分とする。「海東諸国紀」では壱岐一四浦の一つとして「火知也麻浦一百余戸」と記される。天正二〇年(一五九二)四月一日、朝鮮半島への出陣のため、鍋島直茂の士卒・郎党・船頭・水主など六〇余人の乗った船が星鹿ほしか(現松浦市)から渡海し、「はせの浦」に停泊している(高麗日記)。日和待ちのため初瀬はぜ浦に滞留中、兵らが鏡嶽かがみだけ大権現(現鏡岳神社)に押入り、侮って石祠などを社前の崖から投落したという(壱岐名勝図誌)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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