デジタル大辞泉
「出座」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
いで‐ま・す【出座】
〘自サ四〙 (動詞「いず(出)」に
尊敬の
補助動詞「ます」が付き一語になった語)
① (「出づ」「行く」の尊敬語) お出になる。お出かけになる。また、お現われになる。
※
書紀(720)仁徳三〇年九月(前田本訓)「
皇后、紀国に遊行
(イデマシ)て熊野岬に到りて」
※大鏡(12C前)三「さてのちに霊にいでまして」
② (「来(く)」の尊敬語) いらっしゃる。おいでになる。
※書紀(720)天智九年五月・
歌謡「打橋
(うちはし)の
つめの遊びに 伊提麻栖
(イデマセ)子」
③ (「居り」の尊敬語) いらっしゃる。おられる。
※
万葉(8C後)二〇・四三二六「
父母が殿の
しりへの百代草百代伊弖麻勢
(イデマセ)我が来たるまで」
[語誌]補助動詞「ます」が盛行していた
上代には、神や天皇に対する
敬意から、夫・父母など親しみのある関係にまで広く用いられた。平安時代以降、
用例が減少し、対象も仏や霊などに限定されてゆく。
いで‐まし【出座】
〘名〙 (動詞「いでます(出座)」の
連用形の
名詞化) お出まし。お出かけ。
※書紀(720)天智九年五月・歌謡「
玉手の家の 八重子の
刀自(とじ) 伊提麻志
(イデマシ)の 悔いはあらじぞ 出でませ子」
しゅつ‐ざ【出座】
〘名〙 貴人や
身分の高い者が、その
座席へ出ること。また、一般にその座に出ること。
※教言卿記‐応永一六年(1409)二月六日「藤秋来。今春未レ謁之間、出座致二物語一也」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報