デジタル大辞泉
「凹」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
へこ・む【凹】
〘自マ五(四)〙
※
滑稽本・七偏人(1857‐63)二「お蔭で額のお出子がへこんだらう」
※あらくれ(1915)〈
徳田秋声〉一九「動産不動産を合せて、十万より凹むことはなからうと云ふのであった」
③ 量などが減る。損をする。欠損する。
※
浄瑠璃・
心中重井筒(1707)上「四百目といふ銀
(かね)を何にするとて借ったぞ、喰ひ込んだかへこんだか」
④ やりこめられて
困惑する。困る。また、やりこめられて屈伏する。よわりくじける。へこたれる。
※
黄表紙・
文武二道万石通(1788)下「中洲の気どりにて蘆の湯のあたりをたづねあるき、大きにへこむ」
※滑稽本・
浮世床(1813‐23)初「『べらぼうめ、だまっ居
(て)ろ』『
アイ』トへこんで
門口をさうぢしてゐる」
へこみ【凹】
① へこむこと。へこんでいること。また、その部分。くぼみ。へこ。
③ よわること。困惑。へこ。
※
洒落本・南極駅路雀(1789)「いったいげいしゃ、へこみといふ世界だから」
へこま・す【凹】
〘他サ五(四)〙
① へこむようにする。押すなどしてくぼませる。〔和英語林集成(初版)(1867)〕
※兵隊の宿(1915)〈上司小剣〉一「大きな真鍮の火鉢が〈略〉畳を凹ましてゐる」
② 他人をやりこめて屈伏させる。
※歌舞伎・四天王産湯玉川(1818)五立「立入りがあらば凹(ヘコ)ましてやらう」
おう アフ【凹】
〘名〙 くぼみ。くぼんでいること。
※幼学読本(1887)〈西邨貞〉五「今雨の水は、凸の処より凹の処を探し求めて、是非とも其の低き方に降り行くなり」
へっこ・む【凹】
〘自マ五(四)〙 「へこむ(凹)」の変化した語。
※卍(1928‐30)〈谷崎潤一郎〉三「その次の山とのへっこんだ所」
ぼこ【凹】
〘名〙 へこんでいること。また、そのもの。凸(でこ)に対していう。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報