円柱
えんちゅう
平面αとその上の円c、およびαと交わる直線lが与えられているとき、cの周上の任意の点を通ってlに平行な直線の全体でできる面を円柱面(斜円柱面)、これらの直線を母線(ぼせん)という。この円柱面をαに平行な平面βで切るとき、2平面のα、βと円柱面で囲まれた立体を円柱(斜円柱)という(図の(1))。円cを円柱の底面といい、2平面の距離を高さという。底面の半径r、高さhの円柱の体積はV=πr2hである。前に示した円柱で、平面αと直線lが垂直のとき、この円柱を直円柱という(図の(2))。直円柱は、長方形をその1辺を軸として回転してできる立体ともいえる。このときの回転軸を直円柱の軸という。なお底面の半径がr、高さhの直円柱の側面の面積はS=2πrhである。
[栗田 稔]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
円柱
えんちゅう
circular cylinder
数学用語。円筒ともいう。平面上に,平行な2直線 l,gをとり,lを軸としてこの平面を回転させるとき,gがつくる曲面 (回転面) を円柱という。内部も含めたものを円柱ということもある。 l,gは,それぞれ円柱の軸,母線 (すべての位置について) と呼ぶ。円柱を軸に平行でない平面πで切取ったときの切り口 Sを円柱の底面といい,軸と Sとが垂直であれば,この円柱は直円柱,そうでないときは斜円柱という。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
円柱【えんちゅう】
円【とう】(筒)(えんとう)とも。二つの平行な平面上に半径の等しい円があるとき,この2円の中心を結ぶ直線に平行でかつ2円の円周に交わる線分(母線)が描く面(円柱の側面)と,2円(底面)が囲む立体。母線が底面に垂直なら直円柱という。体積=底面積×高さ。→円柱座標/線織面
→関連項目アーケード|角錐|角柱|パピルス柱
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
えん‐ちゅう ヱン‥【円柱】
〘名〙
※改正増補物理階梯(1876)〈片山淳吉〉一「第四十四図の如く、一管或は二管を円柱に絡ひ」
② 長方形をその一辺のまわりに回転させてえられる立体。直円柱と斜円柱とがある。また、その形をしたもの。
円柱体。円筒。
円壔(えんとう)。
※和蘭字彙(1855‐58)「rol 円柱 温飩棒巻軸類」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「円柱」の意味・読み・例文・類語
えん‐ちゅう〔ヱン‐〕【円柱】
1 まるい柱。
2 円周の一点を通り円と同一平面上にない直線が、円周上を平行移動するときにできる曲面と、その円およびそれと平行な面によって囲まれる立体。直円柱と斜円柱とがある。円筒。円壔。円柱体。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
えんちゅう【円柱 circular cylinder】
空間内に,一つの円とこの円の平面に平行でない1直線が与えられたとき,円を直線に沿って平行に移動していくことにより得られる立体図形を円柱という。はじめの円と移動の最後に現れる円を底面,両底面間の距離を高さ,最初の円の周上にある点の移動によってできる線分を母線,母線の全体によって作られる曲面を側面という(図)。母線が底面と直交しているような円柱を直円柱といい,そうでない円柱を斜円柱という。直円柱のことを単に円柱ということがある。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
世界大百科事典内の円柱の言及
【柱体】より
…母線が底面と垂直である柱体を直柱体という。底面が多角形である柱体を角柱,底面が円である柱体を円柱という。底面が平行四辺形である角柱を平行六面体,底面が長方形である直角柱を直方体という。…
【柱】より
…建築や土木構造物において,上部の荷重を支えるために設けられる垂直部材。荷重を支えない場合も,同様の形状をもつ記念柱,円柱などは柱の一種と考えられる。
[日本]
日本建築では,二階建ての場合など構造上,一,二階を1本で通す通(とおし)柱と,一階と二階を別々に立てる管(くだ)柱とに区別する。…
※「円柱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報