和蘭字彙
おらんだじい
『道富ハルマ』ともいう。江戸時代末期の蘭和辞典。 13巻。長崎出島のオランダ商館長 H.ドゥフが,F.ハルマの蘭仏辞典を参考にして長崎通詞らと協力して編纂し,文化 13 (1816) 年に成立した蘭和辞典『道訳法児馬 (どうやくはるま) 』は,写本として当時かなり流布した。これを『和蘭字彙』という題で安政5 (58) 年,桂川甫周が出版したもの。これよりも早く江戸でつくられた蘭日辞典が江戸ハルマ (→波留麻和解 ) と呼ばれるのに対して,長崎ハルマとも呼ばれる。
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和蘭字彙
おらんだじい
長崎のオランダ商館長ドゥーフは通詞(つうじ)数人と、フランソア・ハルマの『蘭仏辞典』によって蘭和辞典を編集(1810以後)したが(写本で、『道訳法爾馬(ドゥーフ・ハルマ)』とよばれている)、その草稿を幕命によって校訂した桂川甫周(かつらがわほしゅう)が、のちに官許を得て出版(1855~58)した刊本のことをいう。
[彌吉光長]
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オランダじい ‥ジヰ【和蘭字彙】
江戸時代に刊行された蘭日辞書。長崎のオランダ商館長ドゥーフ(Doef 一般には
ズーフ)が編纂し、天保四年(
一八三三)に完成させた「
ドゥーフハルマ」を、安政年間(
一八五四‐六〇)桂川甫周が許可を得て「和蘭辞彙」という
書名で刊行したもの。ドゥーフ‐ハルマ。
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デジタル大辞泉
「和蘭字彙」の意味・読み・例文・類語
オランダじい〔‐ジヰ〕【和蘭字彙】
蘭和辞典。桂川甫周が「ドゥーフハルマ」を校訂し、安政2~5年(1855~58)に刊行したもの。→ドゥーフハルマ
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