内通(読み)ないつう

精選版 日本国語大辞典 「内通」の意味・読み・例文・類語

ない‐つう【内通】

〘名〙
味方の中にいて、ひそかに敵に味方の情報をもらすこと。うらぎり。内応
※園太暦‐貞和五年(1349)八月一四日「或云大納言与師直兼有内通事歟云々」
② 内々に話を通しておくこと。前もって話しておくこと。あらかじめ斡旋(あっせん)しておくこと。
※評判記・吉原すずめ(1667)上「たよりあしくば、たいこにないつうして、つかはすべし」
③ 男女がひそかに情を通じること。私通密通
浄瑠璃・凱陣八島(1685頃)二「これもりの御そくぢょとないつう有」

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デジタル大辞泉 「内通」の意味・読み・例文・類語

ない‐つう【内通】

[名](スル)
味方の中にいて、こっそり敵に通じること。内応。「敵方と内通する」
(肉体関係をもつことが許されない二人が)ひそかに関係すること。
内々に話を通しておくこと。
「たより悪しくばたいこに―して、つかはすべし」〈吉原すずめ・上〉
[類語](1内応裏切り気脈を通じる背信背徳背任変心寝返り密告おためごかし讒言讒訴誣告告げ口垂れ込み言い付ける/(2姦通不倫密通私通姦淫野合乱交不義不貞浮気虫が付く

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世界大百科事典内の内通の言及

【返り忠】より

…主君にそむき裏切りの行為をはたらくこと。内応・内通と同義で,自軍の機密を敵に告げたり,敵を陣営内に導くこともこれに含まれる。古く《将門記》で乗馬の郎等にとりたてることを条件に平将門陣営の石井営所(いわいのえいしよ)に手引きをした丈部子春丸の例はこれにあたる。…

※「内通」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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