佇・彳(読み)たたずむ

精選版 日本国語大辞典 「佇・彳」の意味・読み・例文・類語

たたず・む【佇・彳】

〘自マ五(四)〙 (後世は「ただずむ」とも)
① その所を離れずにいる。そのあたりにしばらくとどまる。そこにじっと立っている。
蜻蛉(974頃)下「だらにいとたうとう誦みつつ、礼堂にたたずむ法師ありき」
平家(13C前)一〇「ここにやすらひ、かしこにたたすみ、たづねかぬるぞむざんなる」
② そのあたりを行きつもどりつする。その辺をうろうろする。ぶらつく。徘徊する。
万葉(8C後)一六・三七九一「飛ぶ鳥の 飛鳥壮士が 長雨いみ 縫ひし黒沓 さしはきて 庭に立住(たたずめ) まかりな立ちと いさめ少女が」
堤中納言(11C中‐13C頃)貝あはせ「例の随身に持たせて、まだ暁に門のわたりをたたずめば」
③ 身を落ちつける。生活の基盤を置く。
浮世草子懐硯(1687)二「内証勘当して追出しければ、外に彳亍(タタスム)かたもなく」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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