仮説実験授業(読み)かせつじっけんじゅぎょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「仮説実験授業」の意味・わかりやすい解説

仮説実験授業
かせつじっけんじゅぎょう

実験問題についての予想討論,実験での検証という一連の手続きにそって組織される授業。 1963年,板倉聖宣が「科学的認識は対象に目的意識をもって問いかける実験によってのみ成立する社会的な認識である」という考えに基づいて構想した。授業案,教科書ノートを兼ねた「授業書」と呼ばれるものが用いられる。小学校の自然科学系教育での実践が中心だったが,現在「授業書」は「指導書」として,中学校,高等学校の授業や社会科学系教育の領域にもその作成が及んでいる。なお,イメージ検証授業を仮説実験授業に含める考えもある。

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世界大百科事典(旧版)内の仮説実験授業の言及

【実験】より

…しかし実験の開発やくふうは不十分であり,理科の授業時数削減傾向のなかでは実験をするゆとりがなく,さらに先進諸外国で普及しているクラスを半分にした少人数による実験も未実施であり,改善すべき課題は多い。科学教育における仮説の設定と討論による思考の深化,そして実験による事実の確認という学習の流れを重視した授業方式として仮説実験授業が提唱され,効果をあげている。理科教育【梅原 利夫】。…

【理科教育】より

…しかし,依然として〈科学そのものを教えるのは押しつけになる〉との警戒論もあって,生徒みずからの〈探究の過程〉そのものに教育的意義を見いだそうとする試みなどがくりかえされている。これらに対して,明治初期の思想にたちもどって〈科学的物質観・自然観の基礎をなすような基本的な概念・法則の教育こそが生徒の真の興味をひきおこしうる〉との考えのもとに,子どもみずからに発見の喜びを味わわせるような授業の方法と内容(仮説実験授業)が開発されつつある。科学教育【板倉 聖宣】。…

※「仮説実験授業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」