代理公使(読み)ダイリコウシ

デジタル大辞泉 「代理公使」の意味・読み・例文・類語

だいり‐こうし【代理公使】

公使に次ぐ、外交使節の第3の階級信任状は派遣国の外務大臣から接受国の外務大臣に送られる。臨時代理公使とは異なる。

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精選版 日本国語大辞典 「代理公使」の意味・読み・例文・類語

だいり‐こうし【代理公使】

〘名〙
① 外交使節の第三の階級。その信任状はその国家の政府から接受国の政府に発せられる。名誉と席次とにおいて公使に次ぐ。
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉二「日耳曼(ゼルマン)の代理公使其左にあり」
特命全権公使が欠けたとき、またはその職務を遂行できないとき、一時的に代理をつとめる公使。正確には臨時代理公使のこと。
風俗画報‐二八四号(1904)露国公使京城撤退に関する公報「仏国代理公使の談によれば、露国公使は明日にも当地出発」
③ 国の元首ではなく、特に外務大臣に対して派遣される外交使節。
④ 転じて、仲間や団体を代表して公の長に代わって行動する人。
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉五「例のあみだは室毎に行はれて、さまざまの使命を帯びた、大使公使、代理公使の膝栗毛下町の道に絡繹として」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「代理公使」の意味・わかりやすい解説

代理公使
だいりこうし
chargé d'affaires

使節団の長の階級のうち,大使,公使に次ぐ,第3の階級。派遣国外務大臣から接受国外務大臣に対して派遣される。

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世界大百科事典(旧版)内の代理公使の言及

【公使】より

…19世紀のヨーロッパでは,外交使節団の長としては公使を交換するのが常であった。公使より一段低い外交使節を代理公使といい,公使より格の高い使節として大使が認められていたが,大使の交換は君主国等特定の国家間にのみ行われていた。以上三つの階級は,1815年のウィーン会議の際に正式に認められた。…

【大使】より

…階級の区別は,常置使節の制度の一般化につれて行われるようになった。現在,常置使節には,大使のほかに特命全権公使と代理公使がある。公使は大使に次ぐ地位(特命全権公使のほうが代理公使より上位)であるが,大使との差異は,席次と儀礼についてのみ存在し,職務と特権については存在しない。…

※「代理公使」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」