代掻(読み)しろかき

精選版 日本国語大辞典 「代掻」の意味・読み・例文・類語

しろ‐かき【代掻】

〘名〙 (動詞「しろかく(代掻)」の連用形名詞化) 水田で水を入れた状態で、土を砕きかきならす作業。水田の漏水を防ぎ、田植えをしやすくし、肥料平均に行きわたらせ、田の面を平らにする効果がある。牛や馬、または人力で行なったが、現在は耕耘機などが用いられる。しろ。《季・夏》
※土(1910)〈長塚節〉五「毎日泥だらけになって田の代掻(シロカキ)をした」

しろ‐か・く【代掻】

〘自カ四〙 鍬や馬鍬(まぐわ)を用いて田植え前の田の代掻きをする。《季・夏》
※杉風宛芭蕉書簡‐元祿七年(1694)閏五月二一日「荷兮方にて 世を旅に代(シロ)かく小田の行(ゆき)もどり」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「代掻」の意味・わかりやすい解説

代掻
しろかき

水田の整地作業の一つ。荒起しをしたのち,土塊を粗砕し,引水し,まぐわで粗砕した土塊をさらに細かく砕く作業。その目的は (1) 水持ちをよくすること,(2) 田植えを容易にすること,(3) 肥料を均一に混和すること,(4) 有機質分解を促進すること,(5) 田面を平らにすること,(6) 雑草を埋没すること,である。水田の状態が場所によって違っているので,その目的のうち,いずれを主としているかは農家によって異なり,その方法も変る。

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