介良村(読み)けらむら

日本歴史地名大系 「介良村」の解説

介良村
けらむら

[現在地名]高知市介良

大津おおつ村の南に広がる大村。村の北東部に高天ヶ原たかまがはら山、東南部に鉢伏はちぶせ山がそびえる。長岡郡に属し、「土佐州郡志」は介良庄として「東西七町余南北三十町余」「其土黒」とし、小村として長崎ながさき介良野けらの伊達野いたちの(現南国市)を記す。

北の大津村の丘陵部と当村の丘陵部との中間にある平野は往昔物部ものべ川の河口であったらしく、表土を除くと水勢に磨滅された河原石が多い。南部の観音かんのん崎の畑では石斧が掘出され、また俗にきた山とよぶ高天ヶ原山の南斜面には高間原たかまがはら古墳群があり、この地域では早くから水稲耕作の営まれていたことが確認されている。古代は「和名抄」記載の気良けら郷、中世は伊豆国走湯山密厳院領介良庄の地であった。「吾妻鏡」寿永元年(一一八二)九月二五日条に「土佐冠者希義者武衛(頼朝)弟也母季範女、去永暦元年依故左典厩縁坐、配流于当国介良庄」とみえ、源希義が平治の乱の父義朝の罪に連座し、当地に流されたことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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