井子村(読み)いごむら

日本歴史地名大系 「井子村」の解説

井子村
いごむら

[現在地名]小諸市井子

芝生田しぼうだ村の北方傾斜地にあり、東は深沢ふかざわ川を境に滝原たきばら村、西は小県ちいさがた原口はらぐち(現小県郡東部町滋野)に接し、北は万治年中(一六五八―六一)に分村したと伝える糠地ぬかじ村である。村の西北には寺の浦石器時代住居跡があり、隣村原口村の戌立いんだて石器時代住居跡とともに昭和五年(一九三〇)に発掘され国の史跡に指定されている。

深沢川の東までは左馬寮領の菱野ひしの牧であったと考えられているので(北佐久郡志)、この辺りは「延喜式」に載る「新治にいはり牧」の東限であったろう。

中世には禰津氏が領有したと伝えるが、天文一〇年(一五四一)武田氏・諏訪氏・村上氏の連合軍による海野攻めにより、しばらくの間村上氏に属するが、天文二二年には武田氏の領有となり、天正一〇年(一五八二)武田氏滅亡後は真田氏の領有となる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報