二風谷村(読み)にぶたにむら

日本歴史地名大系 「二風谷村」の解説

二風谷村
にぶたにむら

[現在地名]沙流さる郡平取町字小平こびら・字二風谷

明治初年(同二年八月から同六年の間)から大正一二年(一九二三)までの村。沙流郡の西部に位置し、南は平取村に、北は荷負におい村に接する。東西の二方は山で、その間を沙流川が流れ、平地に乏しい(「状況報文」など)近世史料にニフタニ(ニブタニ)、ビハウシ(ビバウシ)、カンカンなどとみえる地からなっていた。「日高国地誌提要」に二風谷村とみえ、戸数三三、人数一四四(男六七・女七七)。初期の当村住人はすべてアイヌで、明治一四年(一八八一)戸口は三六戸・一六〇人、同年上半期の産物は厚司一一〇斤(うち販売三〇反)・椎茸五〇斤(同三〇斤)・鹿四二頭であった(「沙流郡物産表」道立文書館蔵簿書)。明治一八年から札幌県下で始まったアイヌへの農業授産事業により、当村では初年度に三六戸が一三町九反歩を開墾作付した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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