事と・殊と(読み)ことと

精選版 日本国語大辞典 「事と・殊と」の意味・読み・例文・類語

こと‐と【事と・殊と】

〘副〙 (名詞「こと」に助詞「と」が付いてできた語)
一つ事柄を、特にその事ととり立てることを表わす。とりわけ。格別。
蜻蛉(974頃)上「このごろは、ことと久しうみえず」
② 一つの事柄が、その事一つを目的とするかのように行なわれる有様を表わす。もっぱら。ひたすら。一途に。すっかり。歴然と。はっきり。
※蜻蛉(974頃)下「いかがすべきなどいふほどに、ことと明けはてて」
※浮世草子・近代艷隠者(1686)二「色におぼれ情にひかれ遊をことと成にはあらず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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