九十九橋(読み)つくもばし

日本歴史地名大系 「九十九橋」の解説

九十九橋
つくもばし

[現在地名]福井市照手一丁目・つくも一―二丁目

明治初年まで足羽あすわ川に架かっていた唯一の橋。江戸時代北詰のきよう町と南詰の久保くぼ町とを結び、古くは北庄きたのしよう橋、またはおお橋ともよばれた。

越藩拾遺録」に「又此頃マデハ北ノ庄足羽川ニ橋モナク、今ノ大橋ノ下ニ舟四艘ヅツ艤置テ、跡ヨリ来ル者ホド川下ヘ下リテ渡シケレバ、所ノ名ヲサガリト云テ文字ニモ一二三四ト書テ、サガリト唱ヘシトゾ。サレバ石場堂ノ後町ニサガリト云字残レリ」とあって柴田氏以前には橋がなかったとするが、永正一一年(一五一四)一一月五日付朝倉氏奉行人連署状(瓜生家蔵)に「就北庄橋修理之儀」とあるし、滝谷たきだん(現坂井郡三国町)には天文一二年(一五四三)正月一五日の「北庄大橋礼銭」の請取状が残っており、また「朝倉始末記」心月寺本にも天正二年(一五七四)一向一揆が石場いしば仙福せんぷく寺を襲撃した際、「足羽川ヲバ船ニ乗テ越モ有、河ヲ泳イデ越モ有、橋ヘ廻テ行モ有、(下略)」とあって、天正以前にすでに橋のあったことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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