久米南(読み)くめなん

改訂新版 世界大百科事典 「久米南」の意味・わかりやすい解説

久米南[町] (くめなん)

岡山県中央部,久米郡の町。人口5296(2010)。町域全体が吉備高原に属する低山地にあって,中央部を南北断層谷が走り,旭川の支流誕生寺川が南流する。この断層谷には古くから岡山と津山を結ぶ津山街道が通じ,中心集落の下弓削は宿駅,市場町として発達した。現在もJR津山線,国道53号線が通る。農業を基幹産業とし,河川沿いには水田開け,高原ではタバコ生産,野菜の抑制栽培,畜産が行われる。南部の山手台地ではブドウ栽培が盛んで,西部の竜山地区はマツタケの産地である。誕生寺は法然誕生の地に建立された名刹(めいさつ)で,二十五菩薩練供養(4月19日)には各地から参拝者が訪れる。羽出木は片山潜の出生地である。
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