主殿寮・殿司・主殿署(読み)とのもりづかさ

精選版 日本国語大辞典 「主殿寮・殿司・主殿署」の意味・読み・例文・類語

とのもり‐づかさ【主殿寮・殿司・主殿署】

〘名〙
① (主殿寮) 令制の宮内省被官である主殿寮(とのもりりょう)の官人。また、その役所。とのもづかさ。とのもり。とのも。
※狭衣物語(1069‐77頃か)三「煙の中よりにがみ出たるとのもりつかさの顔ども」
② (殿司) 令制で、後宮十二司の一つ。後宮の灯火薪炭などをつかさどる女官たち官司。尚殿(とのもりのかみ)一人、典殿(とのもりのすけ)二人、女孺六人で構成されていた。また、その女官。とのもづかさ。とのもり。とのも。
※枕(10C終)三「とのもりつかさ女官などのゆきちがひたるこそをかしけれ」
③ (主殿署) 令制で、春宮坊に属し、湯浴灯油殿舎清掃などをつかさどる官司。主殿首一人、主殿令史一人、殿掃部二〇人他の職員で構成されていた。また、その役人。とのもづかさ。とのもり。とのも。しゅでんしょ。

とのも‐づかさ【主殿寮・殿司・主殿署】

〘名〙 (「とのもりづかさ」の変化した語) =とのもりづかさ(主殿寮)
伊勢物語(10C前)六五「つとめてとのもづかさの見るに、沓はとりて、奥に投げ入れてのぼりぬ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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