中目村(読み)なかのめむら

日本歴史地名大系 「中目村」の解説

中目村
なかのめむら

[現在地名]白石市大平中目おおだいらなかのめ

中央部を南北に奥州街道が通過し、東はさい川で坂谷さかや村、西は鉢森はちもり山山頂で小原おばら村、南は斎川さいかわ村、北は森合もりあい村に接する。西は低い山岳地帯で東に沖積地が展開し、その末端に斎川が北流して自然の境界をなす。中野目なかのめとも書く。

伊達氏天文の乱の際の天文一五年(一五四六)二月一八日、稙宗は定禅じようぜん寺に対し「中目郷内沙門堂分」などを与えている(伊達正統世次考)。地字堂林どうばやしの毘沙門堂にかかわる地であろう。乱ののちは当地を本拠とする中目氏に采地が与えられた。晴宗公采地下賜録によると、中目兵衛には中目氏の名跡相続のため「こんりん寺分」と「中目郷」の山川総成敗権および関役などが安堵され、中目右兵衛には大石備後よりの買地が安堵された。また小高二郎左衛門には小原掃部の買地であった「かつた中目の内、杉の内在家」などが下されているが、「杉の内在家」には中目氏の総成敗権が及ぶ。

中目村
なかのめむら

[現在地名]猪苗代町中小松なかこまつ

牛沼うしぬま新田村の西、長瀬ながせ(酸川)下流西岸の平坦地に位置し、南は松橋まつはし村。集落は村の北、煤屋すすけやとよばれているところが旧地で、度重なる川の水害で現在地に移転したと伝える。二本松街道の脇道が通る。川東組に属した。村名の由来は康正(一四五五―五七)頃会津蘆名氏の支族中目兵庫某なる者が当地に住したことによるという。文禄三年(一五九四)六月の猪苗代内検地帳写(鈴木家文書)に中ノ目村とみえ、当地に半内・清六などの屋敷持がいた。

中目村
なかのめむら

[現在地名]塩川町三吉みよし

大塩おおしお川を挟んで宮目みやのめ村の北西にあり、集落は檜原ひばら峠越米沢街道(下街道)沿いに位置する。小沼組(古くは大塩組)に属し、北は熊倉くまぐら(現喜多方市)。中野目とも記した。集落の南東に南館という館跡があり、天正(一五七三―九二)頃中目式部大輔が住んでいたという。「塔寺長帳」応永三二年(一四二五)条裏書によると、同三一年八月一六日「中目殿」らは塔寺とうでら八幡宮(現会津坂下町心清水八幡神社)参詣人を殺害、このため蘆名氏に追われている。

中目村
なかのめむら

[現在地名]豊浦町下中しもなか

北はいけはた村、南は乙次則持おとじのりもち村。中世は豊田とよた庄に属し、永和三年(一三七七)一一月二二日の宗仙打渡状(山形大学所蔵中条家文書)に「中目嶋倉分」、享徳三年(一四五四)四月二八日の中条秀叟(房資)記録(三浦和田中条氏文書)に「豊田ノ中目」とある。字たてこしには戦国末期に水間氏が拠ったとされる中ノ目館跡があり、後屋敷うしろやしきなどの地名が残る。新発田合戦で館主とともに戦死した同家の家老細野源右衛門の次男有恭は、天正一七年(一五八九)帰農して当村に居住したといわれる。

中目村
なかめむら

[現在地名]会津坂下町五香ごか

北流する阿賀川の西岸にあり、対岸勝常しようじよう(現湯川村)、北は京出きようで村、西は十日町とおかまち村。「会津旧事雑考」所収天喜五年(一〇五七)六月三日の八幡宮神役目録に「中目村大瓶一」とある。もと高寺たかてら三六坊の一つ中眼坊があったための村名という。もと南東三〇〇メートルほどのなかちようという所にあったが、阿賀川の度々の洪水で現在地に移ったと伝える。村西に経塚があり、昭和四九年(一九七四)の発掘調査で、天文一三年(一五四四)九月一八日の銘が発見され、天文五年の白鬚の洪水の犠牲者を供養したものと思われる。

中目村
なかのめむら

[現在地名]田尻町中ノ目

田尻川の右岸、通木とおりき村の西にあり、北は沼木ぬまぎ村・小松こまつ村。田尻川によって形成された低平地および自然堤防上の微高地に立地。正保郷帳に村名がみえ、田七八貫三〇七文・畑一〇貫四一五文、ほかに新田七貫一五三文。「封内風土記」によれば戸数四一。文化一四年(一八一七)の三丁目大堰水下村むら高帳(鈴木健造家文書)では蔵入九貫五九五文、給所七五貫八五六文。

中目村
なかのめむら

[現在地名]湯川村くま

西に阿賀川が流れ、東は熊川くまがわ村、北西は佐野さの村。南の会津郡高久たかく(現会津若松市)より流れる高久堰は俗に河沼堰といい、当村よりさらに北の五町目ごちようのめ村に注ぎ田地の用水となる。「会津鑑」は中目村館について「文保ノ頃三浦太郎盛良築ク、後中ノ目左馬頭、其ノ子因幡入道性覚住ス」とある。文禄三年(一五九四)の蒲生領高目録では高五七五石余。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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