中家郷(読み)なかついえごう

日本歴史地名大系 「中家郷」の解説

中家郷
なかついえごう

和名抄」所載の郷。同書の常陸国信太郡の同名郷にも訓注はないが、ナカツイエが最も自然である。比定地は諸説あり、詳細は不明。一つは美濃国神名帳に載る中都家明神に着目し、同明神の座地を当郷に比定しようとする。「新撰美濃志」は当郷および中都家明神の座地を中屋なかや(現白川町)にあて、「日本地理志料」は現白川しらかわ町東部の中川なかがわ黒川くろかわ切井きりい赤河あこうおよび現東白川村五加の大沢ごかのおおさわを郷域としている。

中家郷
なかべごう

「和名抄」に「中家」と記され、訓を欠く。法隆寺献納宝物の葡萄唐草文錦褥墨書に天平勝宝八年(七五六)一〇月として「常陸国信太郡中家郷戸主大伴部羊調貢布」とみえる。「新編常陸国誌」に「今其名ヲ失ス、思フニ岩田、小松高津、及其以西ノ新治郡上室辺ニ至テ、別ニ一郷ヲ置クベキノ地ナリ、蓋古ノ中家郷ノ地ナルベシ」とあり、比定地は定かでないが、郷域は現土浦市大岩田おおいわた小岩田こいわた小松こまつ下高津しもたかつ・中高津・上高津、新治にいはり郡桜村うえむろ一帯とされる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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