与座村(読み)ゆざむら

日本歴史地名大系 「与座村」の解説

与座村
ゆざむら

[現在地名]糸満市与座よざ豊原とよはら

大里うーざとう村の東に位置し、東は東風平くちんだ間切世名城ゆなぐしく村・高良たから(現東風平町)絵図郷村帳・琉球国高究帳に島尻大里しまじりうーざとう間切与座村、「琉球国由来記」には高嶺たかんみ間切与座村とみえる。琉球国高究帳によると高頭四七四石余、うち田三一二石余・畠一六一石余。間切集成図では兼城かにぐすく間切番所と高嶺間切本番所を結ぶ宿道から兼城間切照屋ていーら村の東で東進した道筋大城うーぐすく旧城の前を通り、与座井ゆざがーの上に出て与座村の北を東に進み、東風平間切高良村へと下っていく。与座ゆざ川の水は「水道」で高良村まで導かれ近隣の田畑を潤した。大里間切に源を発した報得むくいり川は、東風平間切から「おろはし川原」として与座地内を横切り、兼城間切との堺を流れ報得むくいり橋に達する。

与座村
ゆざむら

[現在地名]具志頭与座よざ

安里あはとう村の西にある。絵図郷村帳にみえる「上村」が与座村の別称といわれる。「琉球国由来記」など一八世紀以降の文書には与座村とみえる。グスク時代の遺跡でもある与座之殿(ユザヌトゥン)では、具志頭ノロを祭主として稲穂祭が行われていた(前掲由来記)。与座之殿は現在も村落祭祀の際の拝所である。集落に面する海岸台地崖下の湧泉ウフガー、別名世持井(ユムチガー)は間切集成図にも記され、水量が多く農業用水・生活用水として仲座なかざと共有してきた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android