下番村
しもばんむら
[現在地名]粉河町下鞆淵
竜門山の東南に位置する広域の村で、北東に飯盛山がある。ほぼ中央を貴志川の支流真国川（鞆淵川）が南流する。東は中番村、北は安良見村、西脇村（現那賀町）、南は根来窪・峰の両村（現桃山町）、西は黒川村（現桃山町）などに接する。真国川には北から神路谷川、東から彦谷川が流れ込む。平安時代中期以降は石清水八幡宮領鞆淵庄に含まれた地で、南北朝期以降には高野山領とされ、下村とよばれた地にあたると思われる。江戸時代も高野山領で、天保郷帳に下番村として村高三九六石余。畑野・大西・和田・高原・大善寺の五集落からなり、「続風土記」はそれぞれを一村として村高を記す。
畑野村は村域北部にあり、宝徳三年（一四五一）一〇月五日付の鞆淵庄小和田・下村納帳（鞆淵八幡神社文書）に「ハタノ」とみえる。「続風土記」は村高八八・二九七石、家数二三、人数九七、社寺として小祠三（金柑ノ森・大家ノ森など）と大善寺村大善寺末の真言宗地蔵寺を記す。
下番村
しもばんむら
[現在地名]芦原町下番
金津宿（現金津町）と三国湊（現三国町）の中間、竹田川南岸の自然堤防上にあり、東方は中番村、西方は玉木村。正保の越前国絵図によれば、金津宿と三国湊を結ぶ交通路が当村内を通っており、「越前地理指南」などには枝村として「花崎」「神梨」「雑間」が記される。
当村と中番村の境には、河口庄の総社と伝える春日神社があり、同社をこの地に勧請した際、神輿に供奉して来た大連国らの子孫と伝える大連家（二軒あり、東大連・西大連と区別する）もあり、河口庄本庄郷の中心であったと思われる。村名は、上番村・中番村・番田村などとともに荘園領主へ夫役・公事を納める単位である「番」に由来すると思われる。村名は慶長二年（一五九七）八月一〇日付の堀秀治定書（大連家文書）の宛先に「本庄ノ郷下番村百姓中」と記されているのや、同六年結城秀康が多賀谷三経に与えた知行宛行状（多賀谷文書）に「下番村」とみえる。
下番村
しもばんむら
[現在地名]守口市下島町・八雲西町一―四丁目・八雲中町一―三丁目・八雲北町一―三丁目・八雲東町一―二丁目・新橋寺町など
大庭地域の南西部に位置し京街道（東海道）が通る。北から西は蛇行する淀川に限られる。正保郷帳の写とみられる河内国一国村高控帳によれば高一千四八二石余、小物成として葭年貢米一石四斗余、山城淀藩永井尚政領。延宝年間（一六七三―八一）の河内国支配帳でも一村としてみえるが、元禄郷帳では八番村・南十番村・北十番村・下島村に分離されており、元文二年（一七三七）の河内国高帳では八番村・十番村（先の南十番村）・北十番村・九番村・下島村が高付されている。尚政ののち遺領を分知された息尚庸領となり（明暦四年）、さらにその息直敬領となったが（延宝五年）、貞享四年（一六八七）直敬が下野烏山に入部した際上知した。
下番村
しものばんむら
[現在地名]大山町下番
常願寺川中流左岸にあり、南は馬瀬口村・善名村、北は西番村（現富山市）。村名は八川野の野番をするための番屋が中番村（東荒屋村）、西番村・下番村に配置され、その下の方にあったためという。親村である馬瀬口村より延宝三年（一六七五）善名村とともに分村したと伝えるが（「町役所御用留」前田家文書）、元禄一一年（一六九八）の富山藩領郷村高辻帳には村名がみえない。享保六年（一七二一）の村付高改帳（島倉家文書）に高一二〇石とある。寛政二年（一七九〇）の高物成品々手鏡によれば古高一二〇石（定免四ツ五歩五厘）・新田一六五石余（平均免九歩二厘余）、古銀納七〇〇歩、小物成は山役銀四七匁二分・川原役銀一二分。
下番村
しもばんむら
[現在地名]小野市住吉町
久保木村の東に位置し、東条川両岸の平地に立地する。慶長国絵図に「下ノ番村」とみえる。領主の変遷は宝永三年（一七〇六）出石藩領となるまでは古川村と同じ。延享三年（一七四六）三卿の一橋領と上野館林藩松平氏領との相給地となる（「一橋家領知高帳」一橋徳川家文書、寛政一〇年「村絵図」住吉町蔵など）。一橋氏支配はそのまま続くが、松平氏領は天保七年（一八三六）上野館林藩井上氏領となり（同一五年「取替一札」小田町有文書）、弘化四年（一八四七）以降陸奥白河藩領となる（嘉永七年「取替一札」船木町有文書など）。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
